2012,10,30, Tuesday
日本版アニマルコップを創設せよ
動物を標的にした残虐な事件が相次いでいる。こうした行為は、やがて人間に対する凶悪犯罪へとエスカレートしていく可能性が高い。また、こうした犯罪の放置は人心を荒廃させ、さらなる残虐な犯罪を生み出す温床ともなっていく。
動物を虐待から守りつつ、そんな凶悪犯罪の温床も無くしていく、それがアニマルコップだ。 ニューヨークでは、ASPCA(The American Society for the Prevention of Cruelty to Animals:アメリカ動物虐待防止協会)という非営利団体がこの任に当たっている。行政機関からは完全に独立した民間団体だが、ここにはなんと州の司法警察権を付与された動物愛護法執行部門(Humane Law Enforcement Division)が置かれ、動物虐待犯罪に関する警察活動を行っているのだ。実際に月間500件近くの捜査を行い、年間100件ほどの逮捕実績があるという。9.11同時多発テロの時は、現地に取り残された動物たちの救助にも活躍した。 また、サンフランシスコのアニマルコップは、現地の動物愛護組織から市に移管されて、公務員として動物虐待の防止や捜査、被疑者の逮捕などに当たっている。 何でもかんでもアメリカの真似をする日本なのに、なぜアニマルコップの必要性をアメリカから学ばないのか。日本にも動物虐待や殺害を取り締まる法律はちゃんとある。しかし、動物なら殺しても罪にならないと思いこんでいる人が少なくない。あるいは、罪になることは知っていても、こんなことで警察が動くはずがないと甘く見られている。それが偽らざる日本の現状なのだ。 これに対してアメリカでは、たとえば前述のASPCAのような民間団体ですら、赤い回転灯をつけた独自のパトカーを持ってパトロールに回っている。警察のパトカーならPOLICEと書かれている所にデカデカとASPCAと書いてあるから、動物虐待取り締りのパトカーだとすぐ分かる。抑止力は抜群だ。 9月26日の日記で「野生動物関係では、鳥獣保護法における取締事務担当都道府県職員や地方技官などに、特別司法警察職員の権限が与えられている。『アニマルコップ』だって作れないわけがない」と書いた。同じ環境行政の中に前例があるのに、なぜアニマルコップを実現しようとする声が行政府からも立法府からも上がらないのか。全く理解に苦しむ。 さぁ、今すぐ作ろう。国が作らないなら、民間で動物版ガーディアン・エンジェルスだ。 |
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